英語上級者の「聞く・話す」に直結する力をつくる

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英会話スピーキング勉強法!努力しても上達しない原因はマインドにあり

努力をしているのに、英会話が苦手という方は少なくありません。

「いろいろな勉強法を取り入れてるのに、いつまでも英会話へのコンプレックスが消えない」

「同僚がネイティブのように話せているのを見て落ち込む」

TOEIC750点以上獲得している方からも、このようなご相談をよくお受けします。

私もTOEIC900点以上獲得し、TOEIC講師をしていたにもかかわらず、長い間英会話に強い苦手意識を抱えていたので、その気持ちがよく分かります。

この記事では

✓なぜ英会話スピーキングに苦手意識が生まれてしまうのか
✓どうすれば克服できるのか

について解説しています。

「いろんな勉強法を試してるのに、思うように話せない」という方にとっては、いままで盲点だった課題に気づいていただけるかと思います。

記事の執筆:英会話コーチング日野ゆう子 プロフィール>>

 

英語スピーキングが難しいと感じる原因

なぜ日本人は英語スピーキングに対して「難しい」「苦手」と感じてしまいやすいのか、その原因を知り、意識的にマインドを切り替えていきましょう。

英語を「話すための技術」を学ぶ機会がない

英語を「話すための技術」を学ぶ機会がない

15年以上、英語講師をしていますが、英語スピーキングが苦手だと感じる原因のひとつに「話すための技術」を特化して学べる場所がないというのを実感しています。

「英会話学校やオンライン英会話は?」と思われたかもしれません。

これらは、英語を話すための技術を作る場所というよりも「話すことに慣れる」ための機会提供の場であることがほとんどです。

また、TOEICなどの英語の勉強と、英語スピーキングは、同じ英語のように感じますが、必要な技術はまったく別ものです。

「英語を話す」ための技術づくりをしていないまま、英会話学習に時間をかけて努力をしていても、思うように結果に結びつかず、「こんなに勉強をしているのに、成果がでない。自分には才能がないのでは・・」とますます苦手意識が強くなるという方が多くいらっしゃいます。

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英語スピーキングに必要な技術とは?5つのプロセスに対応するトレーニングが近道 !

学生時代の勉強やTOEICの試験の延長で考えている

学生時代の勉強やTOEICの試験の延長で考えている

英語スピーキングを学生時代の英語の勉強やTOEICの試験の延長で考えていると、高確率で壁にぶつかってしまいます。

とくに学生時代、優秀だった方やTOEICで高得点を獲得している方は、「英語力がついたから、あとは英会話に慣れれば、きっと話せるようになるはず」と、これまでの学習と同じ方法で練習を続け、結果が出ずにつらい思いをするという傾向が強くなりがちです。

先ほども書きましたが、英語の勉強と「話す技術」はまったく別ものです。

英会話の技術づくりを、これまでの「英語学習」の延長で考えていると、ゴールや方法がずれてしまい、そのため頑張っても頑張っても成果が出ないという結果が発生してしまうのです。

英会話の上達を「ネイティブスピーカーにいかに近づくか」で測ろうとしている

英会話の上達を「ネイティブスピーカーにいかに近づくか」で測ろうとしている

世界では色々な国や文化、母国語を持った人たちが「共通語」「第二言語」として英語を使ってビジネスや学び、コミュニケーションを行っているのですが、多くの日本人学習者の場合、地理上の影響もあり、「ネイティブスピーカー」の英語以外に触れる機会があまりありません。

そのため常にお手本は「ネイティブスピーカーの英語」で、それが「目指すべきものだ」と考えてしまいがちです。

そして、その考えのもと「ネイティブっぽさ」にこだわると、

・ネイティブスピーカーに近づけない自分の英語にいつまでもOKを出せない
・話すことが怖くなる

といった状況に苦しい気持ちを抱えてしまいます。

しかし、英会話は、お互いの意見を交換したり、用事を行うためのコミュニケーションツール。

そこで求められるのは「目的を無事に達成できるか」、「相手とのやり取りがスムーズに行えるか」であり、「ネイティブスピーカーっぽいか」ではないはずです。

「ネイティブスピーカーの英語」にこだわりすぎると、本来気にしなくていいミスを意識してしまったり、中学英語でも言える部分をわざわざ難しく行こうとして、会話がスムーズに進まなくなってしまったりという弊害が起こってきます。

正解探しにこだわり全体を見失ってしまう

正解探しにこだわり全体を見失ってしまう

英語の勉強やTOEICの試験では、正解・不正解がはっきりする世界でした。

この世界に長年いると、無意識に「正解」を求めてしまうものです。

この習慣を英会話の時に持ち込むと、細かい言い回しに対しても、正解・不正解を意識したり、脳内で「一番良い正解は何か?」を探そうとして時間がかかり、なかなか話せない、自分が言ったことが正解かが不安になり、言い直しが増えてしまう、ということが起こってきます。

こういったことが続き相手を待たせると、今度はその状況に焦りを感じてますますパフォーマンスが落ちる・・という悪循環に陥ってしまいます。

このような現象は視点とマインドセットを変えることでだんだんと避けられるようになります。

特に

①    細部の正解探しにこだわらず、会話全体のパフォーマンスを見るようにすること

②    自分の言いたいことを表現するための方法はいくらでもあると理解すること

この2つを意識することをおすすめします。

①    については、必要以上に止まらず、言い直しをしない流暢性や相手に対しての反応を速くする瞬発力を育てることがポイントとなります。

②  については、「結局のところ何をいいたいのか」 軸となるメッセージをとらえることがポイントです。

例えば、猫が好きと伝えたいとき、それは「I like cats.」とも言えるし、「My favorite animals are cats.」とも言うこともできます。

「I have a cat as a pet. (猫をかっているなら、きっと猫好きだよねと思ってもらえる可能性が高いですよね)」という伝え方もあります。

つまり唯一の正解があるのではなく、色々な表現の方法があるのです。

言いたいことの核の部分を表すことができれば表現の方法はいくつもあるということ、「正解」を脳内で探すのではなく、結局自分が言いたいことは何かをシンプルに考え、それを自分の中にあるストックを組み合わせながら表現する感覚を作っていきましょう。

間違いへの恐れや他の人と自分を比較することが習慣化している

間違いへの恐れや他の人と自分を比較することが習慣化している

これまで英語を話す機会があまりなかった語学学習者の方々にとって、英語を人前で話すことはとても勇気がいることです。

特にTOEICでハイスコアをとったり、英語の本や文が読めるようになった方は、周囲からは「英語ができる人」だと思われていることも多く、「うまく話せないと周囲からどんな風に思われるだろう・・」と不安になったり、英語を流暢に話す人に出会う確率も増えてくるため、「まわりの人と比べて自分は全然話せない・・」など、さらなるあせりを抱えてしまいがちです。

間違いへの恐れや、他人からの視点を常に気にすると、脳は会話そのものに集中をすることができません。

そうするとますますパフォーマンスが落ちて、そんな自分に落ち込むという負の連鎖が起こってしまいます。

逆に、こういった習慣がある方でも、自分のコミュニケーションに集中をして、会話のパフォーマンスをあげるマインドセットを育てることで

他人の目を必要以上に気にせず、会話に集中をすることができるようになります。

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「間違ったら恥ずかしい…」英会話への苦手意識をなくすマインドセットとは?

努力しても上達しない原因はマインドにあった!?

英語スピーキングは、知識や技術だけではなく「マインド」も大きく影響します。

とくにこれまで「学習としての英語」にしっかりと取り組んできた努力家の方々は、上達しない原因として「マインド」が関係していることが少なくありません。

上達しない原因が「マインド」にある場合、下記のような状況に陥りやすくなります。

上達しない不安から教材ジプシーに

上達しない不安から教材ジプシーに

「教材ジプシー」という言葉をご存知でしょうか?

教材ジプシーとは、

①「もっと効果的な教材があるんじゃないか」「もっと自分にあった何かがあるんじゃないか」と気になって、教材を買う

②しばらく取り組んでみたら、何だか落ち着かなくて、また他の教材を探しに出かける

このようなループから抜け出せない人を表すときによく使われる言葉です。

過去の私が、まさに英会話の教材ジプシーでした。

色々な教材や、勉強法やレッスンを試しては、途中で続けられなくなり、そしてお金も時間もかけたのに結果に繋がっていないことでさらに自信喪失…そんなくり返しを何度も経験しました。

当時もスコアはTOEIC900点を超えていて、英語の知識的なものは身についていました。でも英会話には全く自信がもてなかったのです。

その不安を解消させるために教材探しをしていたのですが、そもそも「英語が話せる状態」や目指すスピーカー像が明確でなかったり、これまでの「英語の学習」と「話すための技術」で求めるものの違いを知らずに努力をすると、

何をしても「力がついているのか分からない」「もっともっとしなければいけないことがある」という終わりのない沼に陥ってしまいます。そしてその不安感から教材ジプシーとなってしまいやすいので注意が必要です。

ダメ出しや自己批判で起こる対人コミュニケーションの弊害

ダメ出しや自己批判で起こる対人コミュニケーションの弊害

自分が話す英語に対して「また間違った」「だめだなあ」「こういうべきだったのにそれが出来なかった・・」とダメ出しばかりをしていませんか?

努力をして英語力を上げてきた方には、「いつも自分に足りないところを探して、そこを埋める作業をくり返すことで力をつけてきた」という方がたくさんいらっしゃいます。

これはもちろん、力をつけるためには必要な作業だったかもしれません。

ただ、この足りないところ探しの習慣をもったまま英会話を行うと、その作業自体に脳のエネルギーが取られるだけでなく、英語を話す自分に対してのセルフイメージがどんどん下がるという弊害が生まれてきます。

「自分はだめだ」「自分は劣っている」という気持ちのまま、相手と接すると、

会話でうまくいかないことは「すべて自分のせいだ」と落ち込んだり、必要以上に謝ったりして相手の方と対等な関係や良い関係を築くことが難しくなってしまいます。

また、「自分の足りなさ」を埋めることだけに固執してしまうことで、英語を自分の言葉として実際に使う機会を逃してしまったり

いつまでも「英会話の練習」の状態からぬけだせないという状況に陥ってしまったりもします。

今は「自分についつい厳しくしてしまう」方も、自分のコミュニケーションを応援したり、自分が英語を使うこと、失敗しながら成長をすることにOKを出せる思考回路を育てることで、もっと安心感を持って自由に英語を話せるようになります。

英会話上達のためのトレーニング法

次に、英語を話す技術やマインドを上達させるための具体的なトレーニング法をご紹介します。

5つのプロセスを体に落とし込む

英会話は5つのプロセスから成り立っていることをご存知でしょうか?(第二言語習得論より)

・聞こえた音から単語や文を認識する力
・意味を理解する力

・伝えたいことをイメージする力
・文やチャンクを組み立てる力
・音にして伝える力

英語の勉強をしても英会話が上達しないのは、「勉強」ではこの5つのプロセスを高速で対応する力を鍛えることができないためです。

Kyo Enlish Labの英語コーチングでは、この5つのプロセスを意識せずに使いこなせるよう、体に落とし込んでいきます。 

5つのプロセスの習得方法を知りたい方はこちらをご覧ください。

>>TOEIC講師だった私が17年かかって見つけた 英語をあせらずスムーズに話す10の方法

英語をスムーズに話すための視点やメンタルを身につける

英語をスムーズに話すための視点やメンタルを身につける

「英会話では色々な表現の仕方をしてもいい」

「細かい箇所の正確性にこだわらず、まずは流暢性や瞬発力を伸ばそう」

といわれても、実際の英会話でいきなりそのきりかえを行うのは簡単なことではありません。

限られたストックのなかから瞬時に言いたいことを英語で表現するには、まずは「つまり、日本語でどんなことをいいたいのか」に注目する発想力を育てることが土台となります。

また、流暢性や瞬発力を伸ばすためには、「細かい箇所から大局を見る」視点づくりがポイントとなります。

今まで「英語学習」時に注目をしてきたこととは優先事項が変わるので、はじめのうちはその変化に戸惑いを覚える方もいらっしゃいます。

新しい考え方を取り入れようとすると、頭ではそっちがよいと分かっていても、反射的に今までの習慣がでてしまったり、これまでと異なるあたらしい考え方を試そうとすると「本当にそんなことをしてもいいのかな」と不安になったり…そういった反応が出てきてしまうからです。

この変化を受け入れ、新しく土台にしたいマインドやメンタルをご自身の「あたりまえ」に変えていくためにも意識づけを継続的に行うことが有効です。

そのため、Kyo English Labの英語コーチングではマインドづくりのトレーニングにも重点を置いています。

英会話をコミュニケーションとして捉える

英会話をコミュニケーションとして捉える

英会話はコミュニケーションのツールであり、相手とのやり取りをすることで成り立ちます。

そのやり取りをより楽に、スムーズにするためには、

・質問や聞き返す方法
・英語で日本語で異なる話の聞き方や反応のしかたへの理解や対応方法

これらを知り、あまり意識をしなくてもすぐに出せる状態でストックしておくこと、そして必要に応じて使い分けられるようにしておくことが有効です

また、コミュニケーションがうまくいかないときには、言語に原因があるのか、それとも他に原因があるのかを冷静に分析し、「(うまくいかないことすべてを)自分の英会話力」のせいだけにしない習慣作りもおすすめします。

TOEIC900点を超えても英会話コンプレックスがあった私の体験談

私にはTOEICのスコアが900点以上を獲得し、TOEIC教師として働く一方で、英会話への強い苦手意識に長年悩んできたという過去があります。

そんな状態を何とかしたいと、中学生用の簡単なものから、海外の動画など高度なものまでさまざまな勉強法を取り入れましたが、力の伸びをあまり感じることがなかなかできませんでした。英会話への苦手意識や、間違いへの不安を抱えたまま苦しい時間を過ごしました。

結局、そのような状態から、英語であせらずスムーズにはなせるようになるまでには、約17年の時間がかかってしまいました。

「なぜTOEIC900 点以上のスコアがあっても、英会話が苦手・英会話力づくりがうまくいかなかったのか」当時の自分をふりかえると

・英語の勉強と英語を話すためのスキル分けて考えていなかった

・常に「間違わないこと」を最優先させて、スムーズな英会話に必要なバランスを考えていなかった考えていなかった

・英語を学習の対象として考え、コミュニケーションのためのツールだという意識が希薄だった

この3つが大きな原因として浮かんできます。

私の場合は、迷いや試行錯誤をくりかえす課程で、たまたまこれらの原因への対策ができたことで、結果的に英会話に対する不安や苦手意識をなくすことができました。

「どんな状況や展開になっても、相手の話を聞いて、自分の伝えたいことはきっと言える」

そのように自分のことをやっと信頼できるようになりました。

現在私は、かつての自分と同じように

「TOEICで高得点を獲得しているけど、英会話だけが上達しない。」「仕事で英語を使うのに困っている。」

といったお悩みをお持ちの方に向けて、効率よく「英語を話すための技術とマインド」を養成するための英会話コーチングを行っています。

受講をしてくださる方が、短期間で英語を話すための現実的なスキルとマインドを身につけて、英会話をコミュニケーションツールとして使い、様々な国の人たちとつながったり、ご自分の居場所や可能性をいきいきと広げていくお姿を目にすると、うれしい気持ちでいっぱいになります。

英語スピーキングはマインドセットで上達する!

英語スピーキングは、マインドセットのトレーニングをすることで上達します。

すでにTOEICで高得点をとっている方は、英語を話すための文法知識や初中級学習者の方に比べて、英語に触れる時間が相対的に長く、インプットが進んでいることが多いため、それをコミュニケーションツールとして活用するための「技術」と「マインド」が身につけば、これまでの苦手意識も和らいでいくはずです。

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日野ゆう子

英会話学校や大学サテライト授業・個人レッスンにて通算14年・主に成人を対象にのべ3000人以上を指導。「先生なのに英会話が苦手」という悩みを長年抱え、試行錯誤のすえ乗り越えてきた経験から、英会話力づくりのサポートを行っています。ベースには、TESOL(英語教授法)や言葉を効率よく習得する研究(第二言語習得論・脳科学や心理学など)コーチング・異文化理解などを取り入れています。

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