こんにちは、日野ゆう子です。
「瞬間英作文を何周もしたけれどなかなか自分の言いたいことが言えるようにならないんです。」
スピーキング力についてのカウンセリングを行っているとこんなお悩みを伺うことが良くあります。一生懸命取り組んだ教材でなかなか効果が出ないとなると焦ったり、悲しくなったりしてしまいますよね。
実は、取り組み方の工夫でこのお悩みを改善することが出来ます。
今回は
- 「言いたいことが言えるようになるための瞬間英作文の使い方」についてお伝えします。
この記事を読むと
- 今行っている瞬間英作文の練習をどのように使うと「実際の英会話」に役立てることができるのかが分かるようになります。
瞬間英作文完了=即英会話が上達する というわけではありません
私のところにご相談に来てくださる方は、TOEICで700点や英検準1級にパスしているなど、すでに英語力そのものには時間をかけ努力をしてきた方が多く、長年話題になり続けている瞬間英作文系のトレーニングについてもご存じで、何らかの形で試していらっしゃる方が少なくありません。
もともと努力家の方々が多く、中にはテキストを何周も何周も回している方もいらっしゃいます。でもいざ英会話になると思うように話せない。
そういう場合は取り組み方に見直しが必要です。
瞬間英作文で効果が出ない英語中上級者が真っ先にチェックすべき2つのこと
下記の2つのような取り組みをしていないかチェックをしてみてください。
- 音声を使わず読み書きベースでの「学習」をしている
- 英文を日本語の訳として暗記し、言っている
こういった方法で瞬間英作文を学んでいると「英会話」のシチュエーションでうまく活かすことが出来ません。では、実際どのように取り組めばいいのかについて整理をしていきたいと思います。
瞬間英作文の位置づけ
その前に「瞬間英作文では得られるスキルは何か」の整理をしておきましょう。
瞬間英作文を行ってあなたが手に入れられるスキルは「言いたいことを表すための文の型のストックを増やすこと」です。

言いたいことを表すための英語の構文力をつけ、必要な時にいつでも使える(口から出せる)状態にすることを目指します。
英会話をするときには、瞬間英作文で身に着けた素材の中から言いたいことを表す文の型をピックアップし、必要な単語と合わせて素早く表現をしていきます。
瞬間英作文を行うのは、この文の型の数を増やし、選択肢の幅を広げるためのものです。
瞬間英作文力=英会話力と勘違いをされてしまうことがよくありますが、英会話力を構成する要素はその他にも色々とあります。

瞬間英作文力は英会話力を構成するために重要な位置づけにありますが、これだけがすべてではないことも合わせて押さえておきましょう。
瞬間英作文を英会話に最大限に活かすために必要なこと
位置づけの整理をしたところで、それではこの瞬間英作文を英会話に最大限に活かすためにはどのような状態にしておくべきなのかを見ていきましょう。
先ほど、瞬間英作文を下記の2つのような取り組みをしていないかチェックをしてみてくださいとお伝えしました。
- 音声を使わず読み書きベースでの「学習」をしている
- 英文を日本語の訳として暗記し、言っている
これらの何が問題なのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
こんな時には要注意! 1.音声を使わず読み書きベースでの「学習」をしている
英会話は「話す」作業です。耳で聞き、口を動かし話す作業です。音声を使わず、読み書きベースで瞬間英作文を行っている場合、使うのは目と手です。目で読み、手で文を書いてもそれでは話す練習にはなりません。
瞬間英作文はもくもくと手で英作文をするのではなく、必ず口で文を言うようにして取り組みましょう。最終的には紙(またはアプリの画面)ベースから離れ、視覚からの情報がない形で、音だけを聞いて、文がでるように仕上げましょう。
実際の会話では文字の情報がありません。実際の会話の状態にいかに近づけて仕上げておくかを意識して行いましょう。
こんな時には要注意! 2.英文を日本語の訳として暗記し、言っている
瞬間英作文を「暗記ベースで行っている」という場合も注意が必要です。
瞬間英作文系の本では(たいてい)左側のページに日本文、そして右側に英文という構成で書かれていることが多いのですが、右の文を「左側の和文の英訳」として必死に暗記をしようと頑張ってしまうパターンがこれに当たります。
ここで身に着けたいことは、英文を組み立てる力です。
実際の英会話では、自分の言いたいことを表すために文の型のストックから必要な型をピックアップし、それい必要な単語を組み合わせて文を作っていきます。瞬間英作文の練習の段階から、それに近い形で仕上げることを心がけます。
下記のように進めていきましょう。
①左の文を見て、日本語が表している意味を把握する
②その意味を考えながら何度も何度も口から英文をつぶやき、自然に口からでるような状態にする
※何度もつぶやいているうちに歌詞が自然と口から出てくるような感覚です。
③まるで、自分がその言葉を言っているようなつもりで仕上げる。
①②についてははじめの方は「これは文を組み立てている感覚なのか?暗記をしていっている感覚なのか?」今一つはっきりしないことがあるかもしれません。そのときは、覚えた文を言う感覚になる部分があっても問題ありません。スムーズに言えることを優先させていただければOKです。
ですが、各文をある程度スムーズに言えるようになったら、自分が文を作っている感覚、自分がその言葉を言っているような感覚を大切にしてください。
瞬間英作文に取り組んでもそれをうまく会話につなげられない方のなかには、③の作業が抜けていることがとても多いのですがこの作業は実際の英会話に活かすためにとても大切です。
なぜならそれは「臨場感」を味わえるからです。
なぜ臨場感が言語間の差を埋める
よく知られているように、英語と日本語は語順がずいぶん異なります。
例を挙げてみてみましょう。
This is the student I met yesterday. という文は、日本語では「これは私が昨日会った生徒さんです。」となります。
This is the student I met yesterday.
これは私が昨日会った生徒さんです。
このように日本語と英語では語が出てくる順番がかなり変わります。
日本語文の英訳として頭で考えると、この語順の配置も都度頭でよく考えて並べなければなりません。
ですが、②で何度も口ならしをし、するする出てくるようになった状態の英文に、③の気持ちを加え、まるで自分が話しているように話すと、This isの部分を言っている時にはこちらはを、 the studentの部分を言っている時には生徒さんを、 I met yesterday. の部分を言っている時には、昨日会ったということを自分の気持ちとシンクロさせながら口から出すことになります。
自分の考えることを、組み立てながら口から出す、疑似スピーキング体験ができるのです。
情景を浮かべながらこの文を言うと英語の語順に従って自分の言いたいことが口から出てくる感覚を養えます。
実際の英会話にどう結び付けて仕上げるかがカギ
瞬間英作文を行っているのに英会話に活かしきれないとお悩みの方は、その取り組みかた・仕上げ方が実際の英会話のシチュエーションに活かせるようになっているかという視点でこの作業に取り組んでみてください。
まとめ
「言いたいことが言えるようになるための瞬間英作文の使い方」
・下記の2つのような取り組みをしていないかチェック
- 音声を使わず読み書きベースでの「学習」をしている
- 英文を日本語の訳として暗記し、言っている
音声を使わず読み書きベースでの「学習」をしている場合
⇒瞬間英作文はもくもくと手で英作文をするのではなく、必ず口で文を言うようにして取り組みましょう。
英文を日本語の訳として暗記し、言っている
⇒実際の会話(自分の言いたいことを表すために文の型のストックから必要な型をピックアップし、それに必要な単語を組み合わせて文を作れる仕上げること)に近いシチュエーションで仕上げるよう心掛ける
・取り組みかた・仕上げ方が実際の英会話のシチュエーションに活かせるようになっているかという視点で取り組むことが大切
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